“人g万事金世中”と“空`”における断定表Fについて
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1 はじめに
河竹 a阿弥は、江r代幕末から明治にかけて活Sした歌舞伎狂言作者。本名吉村芳三郎。俳号其水（きすい）。江酢と毡颏紊碳4世越前屋（えちぜんや）勘兵lのL男に生まれる。河竹a阿弥について、坪内逍b（しょうよう）は「真に江跹・未屋なりと称mしていり、河竹登志夫は、「a阿弥は江醺栉杓孔髡撙巫钺幛稳摔扦り、同rに近代锴への^渡期における一つのA石となったのであったとuしている。『人g万事金世中（明治12年）は、a阿弥の最初の翻案散切り物である。そしてこの作品は登鋈宋铯多彩であり、明治初期のし言~のY料としてふさわしいものだと考えられる。
大V 楠w子は明治末に活Sした歌人、作家。美学者・大V保治の妻。|京控V院L・大V正男のL女。|京女子附属女学校を卒I後、佐佐木弘V・信Vの元で和歌を学んだ。1895年、小屋保治とY婚（保治は大V姓になった）。jI『太1905年1月号に日露檎に出征した夫のo事を祈る妻の心情を歌った「お百度をk表した。また万朝螭涑日新にBd小hをk表するほか、ゴ`リキ`、メ`テルリンクなどの翻Uや、}画、ピアノなど多才であり、才色兼浃妊预铯欷俊iw子の死後、夏目漱石は「あるほどの菊投げ入れよ棺の中という句をんだ。『空`は、「|京朝日新明治四十一年四月二十七日から五月三十一日まで三十五回にわたり叭者Bdされた。夏目漱石の推]によるものである。
2 先行研究
明治r代ZのgBは、岩Y悦太郎、松村明、森健二、池上造、中村通夫、山本正秀、吉田|朔のT氏をはじめとする先学の人研究と、国立国Z研究所近代Z研究室の吮境槌龇及び全数{摔摔瑜刖抟的研究とによって、その言Z体系の郭が明なになってきた。それにしても、今日までの明治r代Z研究は、手探りの状Bであり、模索のr代であり、まだ明らかにしていなかった}点が多い。
3 研究の目的
本稿は、断定表Fという点から、『人g万事金世中と『空`このI作品を分析することによって、明治初期と明治末期の言~遣いのgBを明らかにしたい。なお、ここで特に断定表Fを取り上げたのは、先行研究によって、その使い分けには当rの身分、A印⒙Iなど`いがく反映されているという指摘があるからである。
4 {象と{朔椒
『人g万事金世中と『空`におけるすべての会文を{象とする。その中の断定表Fを取り上げ、その使用状rを男女e、身分、年h、し手、き手eなどの让妞ら考察していく。それぞれの使用状rを明らかにした上で、さらにその断定表Fの浠を明らかにしたい。
5 断定表Fについて
ここでの断定表Fとは断定の助釉~のことである。『国Z学研究辞典によれば、断定の助釉~は、一つのある事柄の内容が、他のある事柄の内容と同等するものであることを示す助釉~で、指定の助釉~ともいう。肯定の判断を表すものである。（何らかの意味で、文末あるいは中止文末にはいつも一Nの断定判断はあるものであるから、诹xにれば、その冥りは大きいというべきであるが、否定や推量の判断の表F形式の混入したものは、一般に取り上げていない。二つの事物gに同等、似がJめられるという判断は、比^作用によって得られるものであるから、比rの助釉~もこの断定の助釉~の一分野に属すべきものであるが、これは比rの助釉~としてeに鳏菠毪韦T例になっている。）これに属するZは、古典Zで「なり、「たり、F代Zで「だ、「である、「じゃ、「や、「ですなどである。
本稿では、この表一、表二、表三を⒖激筏胜ら、断定表Fの使い方を登鋈宋eに考察して行く。
5.1 『人g万事金世中における断定表F
各表Fの特栅摔膜い皮稀⑹褂枚仁の高いにていく。
「だ
「だは141例あり、そのうち官吏は74例、町人34例、若林之助10例、奉公人8例、女では、おらん14例、おしな1例である。目下への使用が多い。男性のすべてのグル`プが使用しているのにして、女の使用例はOめて少ないのである。具体例は、次のとおりである。
5.1.1 これ、大きなだな。（P293 林之助宇津）
「でござります「でござりまする「でござりませう 「でございます「にござります「にござりまする
以上の六つの断定表Fはそれぞれ31例、22例、13例、3例、2例、1例、合72例である。
「でござります：林之助は10例、奉公人は5例、町人は7例、下男1例で、女では、おらん1例、おしな1例、おえい1例である。
「でござりまする：官吏は2例、林之助6例、奉公人7例、下男2例、女では、おくら3例、、おしづ1例、おえい1例である。
「でござりませう：林之助6例、町人3例、女では、おらん1例、おしな1例、おくら1例である。
「でございます：林之助1例、奉公人1例、女では、おえい1例である。
「にござります：官吏は1例、奉公人1例である。
「にござりまする：下男1例である。
そのうちの67例は、目上または同に用いている。残りの5例は目下に用いている。そして、「にござりますと「にござりまするは、女の使用例はない。具体例は、次のとおりである。
5.1.2 皆さん御苦氦扦搐钉辘蓼埂お茶でも上がってお出かけなさい。（P257 えい皆）
5.1.3 いえしとおっしゃりますゆえ、奉公に出ると申しましたのが、なんでふて偈证扦搐钉辘蓼工搿＃P263林之助おらん）
5.1.4 そりゃそうでもござりませうが、明日それを御菩提所へ、（P286藤七林之助）
5.1.5 ほんにお前さん方三人に、汲んで来たのでございますよ。（P257 えい荷介、吉、F造）
5.1.6 わたくし始め二人とも、中年者にござりますゆえ、（藤七梅生）
5.1.7 へい、左にござりまする。（P277 下男臼）
「ぢゃ
「ぢゃは27例あり、そのうち官吏は6例、林之助8例、町人7例、女では、おらん1例、おしな3例、おくら2例である。同または目下に用いている。具体例は、次のとおりである。
5.1.8 あ、いや、必ずはっしゃるな、他人ではないH中に、Y走振りはいらぬことぢゃ。（P279 荨林之助）
「であらう「である「でござる
この三つの断定表Fは、「であらうは8例、「であるは6例、「でござるは6例、合20例である
「であらう：官吏は7例、林之助は1例である。
「である：官吏は2例、林之助は1例、奉公人は1例、おらんは2例である。
「でござる：官吏は5例、おらんは1例である。
この三つの断定表Fは、同または目下に用いている。その20例の中で、官吏の使用例は14例で、もっとも多い。女性の使用例は3例にすぎなく、そして、全部おらんという人物が使っている。具体例は、次のとおりである。
5.1.9 これ、五郎右lTどの、其のz言状てにならぬ、如何にこなたがiまっしゃるとて、おのれの田へのみ水引き、此の臼右lTに餮预韦撙趣稀ずっぽうをiむのであらう。（P274 臼五郎）
5.1.10 お前さんは奉公人と`ってF在の甥御さんでありながら、私共同...（P259 荷介林之助）
5.1.11 ...末期に一目逢わぬのが、まことに残念な事でござる。（P267 荨藤太）
「でござんす「でござんせう
この二つの断定表Fは、「でござんすは12例、「でござんせうは3例、合15例である。
「でござんす：おしな8例、おくら4例である。
「でござんせう：おらん1例、おしな1例、おくら1例である。
「でござんすと「でござんせうはすべて女の用例である。その15例の中で、若者の使用例は14例で、年上の使用例はただ1しかない。具体例は、次のとおりである。
5.1.12 BいもBってあの\は、情を知らぬ人でござんす。（P291 おくら林之助）
5.1.13 たいがい相訾知れて居れば、百A位でござんせう。（P275 おしなおらん）
5.2 『空`における断定表F
各表Fの特栅摔膜い皮稀⑹褂枚仁の高いにていく。
「です
「ですは99例あり、そのうち、官Tは2例、男の学生は42例、r江は35例、r江の伯母は2例、熳婴1例、泉子は2例、伊豫は5例、喜多は10例である。すべてのグル`プが使用している。男の使用例は44例、女の使用例は55例である。そして、その99例の中で、若者の使用例は89例、年上の使用例は少ない。r江という人物は代の才媛と言われているので、知R人に属する。男の学生と泉子は学生であるから、もちろん知R人に属する。だから、その99例の中で、知R人は79例、もっとも多いのである。具体例は、次のとおりである。
5.2.1 伯母、それは若い方ですわ、...（P298 喜多伊豫）
「だ
「だは82例あり、そのうち、官Tは1例、知R人47例（男の学生は27例、r江は18例、泉子は2例）、r江の伯母は8例、熳婴16例、、伊豫は3例、喜多は6例、平尾の母は1例である。すべてのグル`プが使用している。知R人の使用例は最も多い。男の使用例は28例、女の使用例は54例である。具体例は、次のとおりである。
5.2.2 あれは君、有名な才媛だ、写真でたより美人だ、（P284 平尾x一）
「ぢゃ
「ぢゃは44例あり、そのうち、官Tは42例、学生は1例、喜多は1例である。同または目下に用いている。官Tの使用が最も多く、女性の使用例はOめて少なく、1例にすぎない。具体例は、次のとおりである。
5.2.3 このg、m西公使からBうた酒ぢゃ、（P316 x隆清村）
「でせう
「でせうは35例あり、そのうち、知R人32例（W生15例、r江は17例）、伊豫は1例、喜多は2例である。知R人の使用がもっとも多い。そして、その35例の中で、若者の使用例は34例、年上の使用例はただ1例である。また、同じ文}においては、「ですを用いる龊悉ある。具体例は、次のとおりである。
5.2.4 ええ、清村さんの所ですから、御悠然なさるのでせう。（P327 r江x一）
「でございます
「でございますは27例あり、そのうち、官Tは1例、r江は6例、熳婴2例、伊豫は16例、喜多は2例である。同または目上に用いている。女性のすべてのグル`プが使用しているのにして、男性はほとんど使用していない。その官Tの1例は、清村がr江にするとき使用したのである。具体例は、次のとおりである。
5.2.5 御E[ばせ、御本が缮饯い猡韦扦搐钉い蓼埂（P297 伊豫熳樱
「でございませう
「でございませうは9例あり、そのうち、r江は2例、熳婴1例、伊豫は6例である。「でございませうは「でございますよりtdって古Lな言~であり、やや改まった雒妞鞘褂盲筏皮い搿H部女の使用例である。具体例は、次のとおりである。
5.2.6 岷￥稀ずっとお暖かでございませう、（P301 熳印r江）
「でいらっしゃいます
「でいらっしゃいますは5例あり、そのうち、r江は1例、S嗓1例、伊豫は3例である。全部女の使用例である。その中の4例は目上に用いている。残りの1例は、S嗓Y婚式訾请r江にx一をB介するという改まった雒妞峭に用いている。また、同じ文}においては、「でございますを用いる龊悉ある。具体例は、次のとおりである。
5.2.7 F女は大婴手工がお上手でいらっしゃいますって、ちっと私も教えてきたいものでございます、（P309 r江熳樱
「でいらっしゃる
「でいらっしゃるは1例で、老婢の用例である。具体例は、次のとおりである。
（22）旦那も好い御rを[ばして、wんだ花さんでいらっしゃる、（P299 伊豫熳樱
6 まとめ
本稿では、明治初期の『人g万事金世中と明治末期の『空`における断定表Fの特栅摔膜い瓶疾欷筏皮た。本稿でじたことを次のように要sしておこう。
まず、『人g万事金世中における断定表Fの使用状rをまとめると、次のようになる。
（1）「だは男性のすべてのグル`プが使用しているのにして、女性がほとんど使用していない。目下への使用が多い。
（2）「でござります系（注1）はすべてのグル`プに使用されている。ただし、その中の「にござりますと「にござりまするは女性に使用されていない。目上または同に用いている。
（3）「ぢゃはすべてのグル`プに使用されている。同または目下に用いている。
（4）「であらう「である「でござるは、官吏がもっとも多く使用している。そして、女性がほとんど使用していない。同または目下に用いている。
（5）「でござんす「でござんせうは、女性だけ使用している。そして、ほとんどは若い女性が使用している。
さらに、『空`における断定表Fの使用状rをまとめると、次のようになる。
（6）「です「でせうは、知R人がもっとも多く使用している。そして、ほとんど若者が使用している。
（7）「だは知R人がもっとも多く使用している。
（8）「ぢゃは官Tがもっとも多く使用している。そして、女性がほとんど使用していない。同または目下に用いている。
（9）「でございます「でございませう「でいらっしゃいます「でいらっしゃいまするは1例しか、全部女性が使用している。目上または同に用いている。
最後、『人g万事金世中と『空`における断定表Fの相`点をまとめると、次のようになる。
（10）「だの使用欷冥なった。『人g万事金世中では、女性の使用例はほとんどないが、『空`では、女性も多く使用してきた。そして、『人g万事金世中では、男のすべてのグル`プに使用されているのにして、『空`では、男の使用l度がpった。
（11）「ですと「でせうが使用している。『人g万事金世中では、「ですと「でせうはまた使用していない。ただし、『空`では、すべてのグル`プが使用してきて、特に、学生や若者に多く使用されている。「ですについて、和久井生一は、「「ですはもともと太鼓持ちや芸者や、そういった人たちが用いていたといわれるが、彼らに接した学生たちが、その言~を|京の言~として、その句{の良さをまねているうちに、日常の言~になったと思われる。と分析している。
（12）「ぢゃの使用欷狭まった。『人g万事金世中では、すべてのグル`プに使用されている。『空`では、ほとんど官Tだけが使用していて、そして、女性の使用例はOめて少なくなった。
（13）「でござります系は女性の使用度が高くなった。『人g万事金世中では、「でござります系はすべてのグル`プに使用されている。『空`では、「でござります系の中の「でござります「にござります「でござりまする「にござりまする「でござりませうは使用していなくて、「でございます「でございませう「でいらっしゃるを使用していて、そして、ほとんど女性が使用している。
（14）『空`では、「であらう「である「でござる「でござんす「でござんせうは使用していない。その中で、「であるはき言~として冥使用されてきた。
以上、『人gf事金世中と『空`における断定表Fの使用状rについて考察した。しかし、登鋈宋铯稳耸、身分、年hと会の雒妞讼蓼椁欷毪韦恰⒄h得力は不十分だと思われる。また、明治初期と明治末期の言~遣いのgBを明らかにするのに、ただ二つの作品を分析するのは不十分だと思う。したがって、今後はほかの作品を考察して、多くの让妞ら研究してみたい。
注：「でござります系とは「でござります「でござりまする「にござりまする「にござりますを指す。
作者简介：
西南航空职业学院