『こころと『人間失格の共通性について
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摘要：夏目漱石も太宰治も日本近代重要な作家である。『こころと『人間失格は、二人だけでなく、日本文伝にも非常に重要な作品である。両作品も作家の消極を表す共通点がある。この論文はこの二つの作品を比較し、夏目漱石と太宰治の思想の消極面について研究しようとしたものである。
キーワード：夏目漱石；太宰治；共通点；消極面
はじめに
夏目漱石は近代以降、現在に至るまでの日本の作家の中でも最重要と評されるようである。『こころは夏目漱石創作後期、乃木希典の殉死に影響を受け執筆した作品である。作品で夏目は徹底した自己否定を貫き、他者と自己を同時に傷つけるエゴイズムの限界を見極めた主人公は、大正という新しい時代を迎えて「明治の精神に殉死する。
太宰治は日本戦後無頼派の代表作家であり，彼の人生は非常に厳しい。左翼運動からの脱落、麻薬に手を出し、四度にわたる自殺未遂、心中未遂をくりかえした挙句の死、愛人と私生児までもいた……という彼の人生は破滅的といえるもので作品にも投影されている。彼の多くの作品の中の『人間失格は、遺作として太宰治の自伝と考えられている。作者が自分の過去の人生体験をもとにして虚構化しながら、作品の主人公「葉蔵の人生と重ね合わせ、自分が人生に対して絶望、苦しさを「葉蔵とその人生によって表現し、やがて人間への批判と戦後社会への批判を表した。
１『こころの「死
１．１先生と遺書
『こころは上巻「先生と私、中巻「両親と私、下巻「先生と遺書三つの部分から成り立っている。いうまでもなく、「先生と遺書は作品の中心で、夏目漱石が自分の理念をこの部分で直接にあらわした。
「私はずっと先生の生き方に疑問を持っている。大学を卒業して故郷に帰る、父は病気で危篤になる時、「先生は電報を届いてきた。「私に会いたいという。しかし父のやまいで「私はどうしても離れなくて、今度は厚い書留が届いた。開いてみると、「この手紙があなたの手に落ちるころには、私はもうこの世にはいないでしょう。とくに死んでいるでしょうとある。
ここから、ようやく「先生の謎をとり始まる。先生の過去の怖さは、結局のところ自らも汚らしい人間であったという点である。先生は、Kを騙すことでお嬢さんを手に入れ、幸せを勝ち取るのですが、親友なKを失う。それは、自らが叔父から受けた仕打ちと全く同じ、裏切りをすることで行われた。
先生の背負っている過去は、Kを裏切って自殺させたこと、お嬢さんを汚したくないためこのことを言えないこと、そして叔父と同格の汚らしい人間であったことである。そして、先生は誰にも信用できず、お嬢さんにも助けを求められず、孤独へ突き進むのである。
１．２夏目漱石の消極
『こころは、人間の深いところにあるエゴイズムと、人間としての倫理観との葛藤が表現されている。明治天皇の崩御、乃木大将の殉死に象徴される時代の変化によって、「明治の精神が批判されることを予測した夏目漱石は、大正という新しい時代を生きるために「先生を「明治の精神に殉死させる。
夏目漱石は、歳を重ねるごとに病気がちとなり、肺結核、トラホーム、神経衰弱、命取りとなった胃潰瘍まで、多数の病気を抱えていた、これらは、前『吾輩は猫であるの苦沙弥先生によって表現した。そして、身の病と当時の戦争から与えた衝撃が、夏目漱石のこの「灰色作品を構成した。「先生が最後自殺した、夏目が病死だが、彼も自殺の考えがあるではないか。
２『人間失格の「死
２．１遺書的な作品
連載最終回の掲載直前の6月13日深夜に太宰治が自殺したことから、本作は「遺書のような小説と考えられてきた。体裁上は私小説形式のフィクションでありつつも、主人公の語る過去には太宰自身の人生を色濃く反映したと思われる部分があり、自伝的な小説とも考えられている。
２．２葉蔵の悲劇
作品の前半では、葉蔵自身が普通の人間としてかけ離れているように書かれた。以後、葉蔵は「道化を使うことで自身の非人間性を隠し、人間社会に溶け込むことが出来た。堀木に会い、女遊びをするようになった。が、ヨシ子という無垢な女性と結婚したあとに悲劇が起こった。葉蔵自身は、ヨシ子の絶対的な信頼に心を潤わされ、自身の人間へのひび割れた信頼を取り持つことができた。が、ヨシ子が商人に犯されることで、葉蔵はヨシ子の信頼心が汚されたと考え、もはや人間への信頼は消え失せ、精神がやられてモルヒネ中毒者になってしまう。そして、葉蔵は脳病院にいれられ、自身が「人間失格だと気付かった。
葉蔵は自身を人間とは違う生きものと考え、そこには一種の軽蔑が感じられるが、最後には人間以下であるという、ただそれだけが残ってしまったわけだ。そして「いまは自分には幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行くのです。と終わった。
２．３太宰治の消極
太宰治の有名な言葉の1つは「生れてすみませんである。自伝と認められている『人間失格はもっとも適当な例である。この作品の主人公の大庭葉蔵が生まれつき「へり人だと自認した。「恥の多い生涯を送つて来ました。太宰治は生まれながら、罪の意識を持っている。そして、大人になってから、接した様々な思想が太宰治の思想を混乱させた。これは太宰治の自殺する原因の一つと言えるだろう。そのため、一生の中で、太宰治が四度目の自殺未遂を経験した。最後に愛人と玉川上水に入水心中し、自殺した。
作品で葉蔵は死んでないけれど、もはや「人間失格、健全な思想がない。この面に見ると、葉蔵はもう死ぬと同じ。それに作品は人の死が数少ない。だからこの作品も「死亡があふれて、太宰治の「消極をあらわし「灰色の作品と言える。
おわりに
夏目漱石は『こころで「先生によって自分の幼少期、自分と実父母、養父母との関係、明治に対する理念、エゴイズム、死亡観などを表した。この点に見ると、『こころも夏目漱石の自伝式作品と言える。この点で『人間失格に太宰治との関係も似てる。両作品も戦争に大きい影響され、時代に対する不満、エゴイズム、自分の人生に対する疑問、消極的な感情などを鋭くあらわした。特に「死の主題。日本では数多くの作家が自殺した、戦後が特に多い。それは戦争の影響ではないか。夏目漱石も太宰治もその影響を受けた。それに自分自身の遭遇と加えて、このような「消極的な作品を作った。（作者单位：遼寧対外経貿学院日本語学部）
参考文献
［1］夏目漱石．こゝろ［M］.東京：新潮社，1968.
［2］石原千秋．漱石はどう読まれてきたか［M］.東京： 新潮社，2010.
［3］太宰治．人間失格［M］.東京：筑摩书房，1948.
［4］山岸外史．人间太宰治［M］.東京：筑摩书房，1989.
［5］荒井洋一．夏目漱石の『こころにおけるの構造［D］．東京：東京学芸大学，2010.
［6］李鵬．太宰治の消極面と積極面——『走れメロスと『人間失格を通じて［D］.山東：山東科技大学，2009.