芥川之介の不安と作の化のについて
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要旨:芥川之介は「人生の々な告白を重する自然主を否定して文に登し、生活の秩序とはな所に、な虚の花をかせた作家であると言われている。恐らく、彼が虚な世界を通して、自分が世界をする「余裕があることを示したかっただろう。しかし、年の一の作品になると、芥川が虚的な度をてて、自的な作がられる。彼はわざとその「余裕をてるのか、それとも仕方がくそれを失ったのか。それについて、本文が探求したいと思う。
キワド：余裕 私小 不安
はじめに
芥川之介は「人生の々な告白を重する自然主を否定して文に登し、生活の秩序とはな所に、な虚の花をかせた作家であると言われている。彼が作ったりの世界には世界を刺する意が内されている。恐らく、彼が虚な世界を通して、自分が世界をする「余裕があることを示したかっただろう。しかし、年の一の作品になると、芥川が虚的な度をてて、自的な作がられる。この点について、吉田精一が「年の、或は『大寺信の半生以後の彼は、即ち生活を主材とするようになったのちの彼は、それ以前のたる道具立てや、微な境描写をさけて、自然と人生にする愁を、じかな、告白的な度で投げ出したと指摘した通り、『大寺信の半生以後の作品はに目を向けて、告白的な度で作り出されたことがえる。また、年の之介について、三好行雄も「年の之介はさまざまな理由から、かつて切りてたの重さをまるごとひきうけてしまうように指摘している。すなわち、史物、切支丹物の中で、芥川は自らの世界を主人公たちの行に完全にしたのにして、「私を主人公として、に目をむけざるをえなくなった年の作品の世界をれば、芥川の作の化はかに目にえて捉えられる。ならば、彼はわざとその「余裕をてるのか、それとも仕方がくそれを失ったのか。それについて、本文が探求したいと思う。
一、先行研究
まず、川副国基は「彼がその死の直前一年ばかりのに物狂しくきつた「点鬼簿「蜃楼「「或阿呆の一生に至る一の作品は、彼がその武器とした知性に自信を失ひ、いはばまるで刃のこぼれた血刀のやうなかい神をぴくつかせて、代の苦、自己の不安とつた的ともいふべきもので、せつぱつまった凄の文学であると指摘した通り、芥川の年の作品に「びくびくした神、 「代の苦、「自己の不安という暗くてなが溢れているとえる。その不安は何にする不安なのかは味深い。
芥川の「ぼんやりとした不安について、吉田精一は以下のように述べている。
「或友へ送る手は死を直前に眺めてゐる人のいたとは思はれない、透明な、整然たる文章である。彼はこの中で先づ彼自身の自するを「ぼんやりした不安である。「何かの来にするただぼんやりした不安であると述べてゐる。来にするぼんやりした不安それは「ある阿呆の一生にあるやうに、狂人になるかもしれないといふ肉体上の不安をはじめ、上の不安、的を切け得るかどうかといふ不安、女性的な不安、社会的な不安、などを含んでゐるにひない。象的には「ぼんやりした不安としか彼には表出来なくても、自の理由となるほどの性のものであつた。
以上の引用から分かるように、芥川の作品における「不安は肉体、芸、社会的な「不安の面が含まれている。
二、三つの不安
1.肉体的の不安
当の芥川はすでに睡眠などの物依存症状で最の健康状になり、いわば「物的エネルギが枯した状だ。彼は藤茂吉への手にこういてある：
「唯今の小生に欲しきものは第一に物的エネルギ、第二に物的エネルギ、第三に物エネルギのみ
大原氏は「これらの因子が自の状を形成し、それを行させて、局はこれといった直接がないままに、自へと引きずりまれていった。彼を自へとり立てた促因子は、あくまでも素因的な精神病であったことは否定できないと芥川の自の背景を明していた。
２.芸的な不安
そのとき、私小の力はすでに台しておいた。1907年の田山花袋「蒲を私小の始まりとするが有力であるが、平野は、1913年の近松秋江「疑惑と木村太「引を、私小が立した期だとする。これらが多く自己暴露的性を持っていたのにし、志直哉の『和解のような作を「心境小と呼ぶ。客描写ではなく、象をた作家の内面を如に描く事を重んじた。「私小は、内面描写を中心にかれる事が多い。
その名から、「私と一人称でられるものとする解することがあるが、三人称のものも多い。小においては作者と作品の主人公は同一出来ないとするのが一般的だが、私小の解では主人公がしばしば作者本人と同一され、作者の年との比がされる事もある。破型私小というと、花袋、秋江にいて、葛西善、嘉村多、初期の太宰治、また和型私小というと、志の弟子藤枝静男、野菊などがげられる。
偶然だというか、わざとだというか、芥川之介はこの期に「自分を主人子にして、を向かうという行はまさに私小の潮にうようだ。言 いえれば、これはむしろ日本の私小的への降伏の道でもあるようだ。
彼は『点鬼薄でこういてある：
の母は狂人だった。は一度もの母に母らしいしみを感じたことはない。こう云うはの母に全然面倒をてったことはない。何でも一度の母とわざわざ二へ挨拶《あいさつ》に行ったら、いきなりを管で打たれたことをえている。しかし大体の母は如何にももの静かな狂人だった。-の母の死んだのはの十一の秋である。それは病のよりも衰弱のに死んだのであろう。その死の前後のだけは割り合にはっきりと残っている。
上述のように、「は一度もの母に母らしいしみを感じたことはない、「こう云うはの母に全然面倒をてったことはないということはと母の子はしくないとえる上に、「の母は狂人だった。は一度もの母に母らしいしみを感じたことはないというように狂人の母にして、同情という持ちがぜんぜん感じない。そして、母にするは「死の前後のことしかないということは子の外感がはっきりえる。そして、では、芥川さんのお母さんも狂したということもある。そのお母さんの狂は彼にかなり打を与えた。の彼とお母さんお子は小のいたほどくないが、それも一自分も生活の写であろう。
3.社会的な「不安
芥川は文学作に全力を出したが、当は国内の矛盾が激しく、社会は不安定になった。芥川が避けてきたを直せざるを得なかったため、を主とする作を化した。昔いつも世界を眺めていた彼は今度は自分自身でこの世界に入りんだ。そして、自分の考えを小の形で世に示している。しかも、この化は彼自身が望んだわけではなく、この社会にする不安のため、えざるえなかったのである。
「或阿呆の一生は芥川自身の生涯を材とした告白小である。その作品を通して芥川の人生や思想がよく分かると思う。主人公はまるで芥川の自画像のようにえる。まず彼は本をした。「それはある本屋の二だった。二十才の彼は棚にかけた西洋の梯子にり、新しい本を探していた。モオパスサン、ボオドレル、ストリンベイ、イブセン、ショウ、トルストイ......彼はによってく世界を了解した。そして、「すべてのものを本から学んだ。ということである。しかも、皮肉にも彼は「世主の哲学をまだ一ペジもまぬ前に既に世主者だった。iのである。
この化も芥川の弱い神に刺激を与えた。ある人は「芥川は人生にれて死んだのではない。それはむしろ利の死だ。と言った。彼はあくまでも芥川の自から社会的条件を除こうと努めている。しかし、芥川は自分にをかけた古い道的から逃げられなくて、死をんだ。
まとめ
上述のように、芥川之介は世に直面することが避けられないとし、もっと的に自分の辛さと苦をるという度をとった。彼は世にするさまざまな不安によって、だんだん自分の小のき方、そして、自分の命もえていったく生き延びることではなく、死をんだ。
参考文献：
清水 （1975）『文芸本 芥川之介（河出房新社）
三好行雄（1976）『芥川之介（筑摩房）
吉田精一（1982）『吉田精一著作集第一 芥川之介Ⅱ（社）
大正文学研究会（1983）『近代作家研究１芥川之介究（日本センタ）
山岸外史（1992）『近代作家研究 106 芥川之介（日本センタ）
吉田精一（1993）『近代作家研究 121 芥川之介（日本センタ）